開催にあたって
共同連は、1981年の準備会を経て、1984 年大阪にて結成されました。以来、全国大会も回を重ねて参りました。2020年より、コロナ禍のため2年間の大会の休止と、その後1日開催での再開を経て、本年は5年ぶりに2日間での大会を開催する運びとなりました。
大阪での共同連大会は、2016年に開催した第33回大会から8年ぶりとなります。前回の大阪大会では「めっちゃごちゃまぜ ええやんか!~ひとりひとりの人生ちゃう?みんなで支え合おうや ~」をテーマに掲げ、互いにつながり支え合うことで、様々な差別事件に抗い、「一人ひとりが大切にされ、共に生き、共に働く」とは何かを全国の仲間と考え議論する時間を持つことができました。
あれから8 年、全国の仲間との繋がりを大切にしながら、各々の現場で「共に働き、共に生きる」社会の実現に向け、歩みを進めてきました。2022 年 10 月には労働者協同組合法が施行され、 共同連がめざす社会的協同組合への展開として「共に働く」素地の広がりへの期待もふくらみました。
しかし、以前から問題となっていた悪しきA型事業所は、国の制度改正の後、閉所したところもありましたが、いまだ根強く存在し、また障害者雇用率ビジネスなどに代表されるように、「障害者の働く」、がビジネスの商材として国や自治体を含め、新興産業のひとつとして大々的に進められている状況に陥っています。私たち自身も制度や社会情勢の波に翻弄され、本来めざしてきた「共に働く」在り方を見失うことがないよう、この状況に向き合っていかなければならないと考えています。
こういった現状を踏まえ、本大会では「切らへん、分けへん、共に働くってええやん!?~一人 一人の「暮らし」と「働く」が金儲けのネタになっている、どないしよう!?」をテーマとし、今一度、私たち自身が原点に立ち返り、「共に働く」を問い直し、そしてこれからをいかに切り拓くかを全国の仲間と語り合い、盛り上げていきたいと思います。
今大会では、「共に働く」は今どう歪められているのか?を知り、また様々な現場における「共 に」の実践を学び、私たちが「めっちゃ、ええやん!!」と思い描く社会はどんなことかを語り合 い、これからに希望が持てるプログラムを企画、準備を進めています!
また、この年明けに発生した能登半島地震では、いまなお多くの方々が大変な状況にあります。 今大会では、被災地の現状の報告や、「共に生きる社会」の中で今後どのような視点で災害に向き合うべきかを考える会を大会終了後も継続して企画していきます。
この社会に「共に生きる」が根付き、あらゆる立場にある仲間たちと「めっちゃええやん!」を 分かち合える 2 日間となるよう、皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。
第39回共同連全国大会IN大阪 実行委員長 井上康
第39回 共同連大会 IN 大阪「切らへん、分けへん、共に働くってええやん!?〜一人一人の「暮らし」と「働く」が金儲けのネタになっている、どないしよう!?」
日時
1日目:2024年9月14日(土)13時〜21時 2日目:15日(日)9時30分〜13時30分
会場
エル・おおさか(大阪府立労働センター) & オンライン
〒540-0031 大阪府大阪市中央区北浜東3−14
●Osaka Metro谷町線・京阪電鉄「天満橋駅」より西へ300m
●Osaka Metro堺筋線・京阪電鉄「北浜駅」より東へ500m
会場定員 120名
参加費 【現地参加】一日のみ:2,500円 二日間:4,000円
【オンライン】一日あたり1,000円(二日間参加は2,000円となります)
タイムテーブル
※プログラムの詳細はリンクをこのページの下の方に掲載しています
9/14(土)
12:00 開場
13:00 開会
13:30 全体会 その1「一人一人にはストーリーがある だから思い通りにさせへんで!!〜障害者雇用率ビジネスと悪しきA型の実態を知り 共に働くを問い直す〜」
16:00 特別報告「能登半島地震から学び これから私たちができる対策や備えについて知る」
16:25 全体会その2「「共に働く」場を広げるために社会的協同組合を展望する」
18:45 交流会
会場:「灯 AKARI」大阪府大阪市中央区谷町1-2-10 ホテル京阪天満橋 B1F
21:00 1日目 終了
9/15(日)
9:45 分科会
①【働く】 大丈夫か?「障害」が商品化される労働ビジネス!
②【くらす】障害者が街に消えていく
③【まなぶ】共に学ぶ・共育は本当に広がっているのか? 様々な立場から現在の共育、「共に学ぶ」教育を切り、今後の展望を問う
④【仕事づくりとまちづくり】共に働く〜もっともっと発信!もっともっとつながって 街の中にミリョクある仕事をひろげていこう・・・
⑤【就労ワークショップ】
12:15 大会宣言 閉会式
13:30 まで会場にて販売など行います
プログラム
全体会1(1日目 13:30)
「一人一人にはストーリーがある だから思い通りにさせへんで!!〜障害者雇用率ビジネスと悪しきA型の実態を知り 共に働くを問い直す〜」
共同連は一般雇用でもなく、福祉的就労でもない、第3の就労としての「共働」をめざしてきました。ところが2010年代より福祉的就労の中の就労継続支援A型事業を悪用して行政からの納付金で金儲けをする「悪しきA型」が増長し、共同連はそれを告発してきました。今また雇用の分野でも障害者雇用率制度を悪用して企業から金を出させて雇用の実態のないまま雇用率を企業に与えて金儲けをはかる「雇用率売買ビジネス」が2010年代後半から急拡大しています。どちらも共通することは、障害者の「働く」はどうでもよく、全くまともな仕事のない実態のまま、経営者が障害者を利用して金儲けをはかることです。あらためて何が問題であるかを明らかにし、「共に働く」社会にするためにどうすべきかを問題提起します。
【記念講演】「雇用率を売買する障害者雇用率ビジネスの問題点」
市川 亨 さん(共同通信社・特別報道室 編集委員)
【シンポジウム】「『共に働く』から離れている実態を知る」
〜登壇者〜
- 藤田 和恵 さん(フリージャーナリスト)
- 久万 真毅 さん(山陽新聞 記者)
- 市川 亨 さん
〜進行〜
荻野 直人(共同連事務局長)
特別報告(1日目 16:00)「能登半島地震から学ぶ」八幡 隆司 さん(ゆめ風基金)
全体会2(1日目 16:25)
「「共に働く」場を広げるために社会的協同組合を展望する」
全体会①を受けて障害者雇用率ビジネスや悪しきA型事業所のようなインクルーシブではない働き方が広がり続ける中、「共に働く」場を広げるためには障害者総合支援法や障害者雇用促進法とは違うどのような仕組みや組織が必要なのでしょうか。共同連は障害者をはじめ、就労の機会を得ることが難しい人を包摂し、共に働く事業を運営する事業を支える制度がないという現状の中、イタリアの社会的協同組合をひとつのモデルとして、2010年以降に新しい制度として「社会的事業所」を求めてきました。その実現が難しい中、日本にもやっと労働者協同組合法という働く人が対等な組合員として働き、運営する制度ができました。私たちはそれを出発点として、イタリアをモデルとして日本の中に障害者だけでなく働くことに困難を強いられる人を包み込んで働くと共に、その人たちへサービスも行える日本型社会的協同組合を目指していきたいと思います。
~登壇者~
- 高橋 弘幸 さん(ワーカーズコープセンター事業団関西事業本部)
- 新居 良 さん (豊能障害者労働センター副代表)
- 斎藤 縣三(共同連代表)
〜進行〜
白杉 滋朗(ねっこの輪)
分科会1〜5
【分科会1[働く]】「大丈夫か?「障害」が商品化される労働ビジネス!」
「全国で様々な形になって、蔓延っていく障害者の雇用ビジネス。雇用率ビジネスは、障害者の労働と統合の機会を奪い、企業の雇用率ポイントに利用される。A型ビジネスは受けられるべき支援や労働機会から遠ざけ、税金を一部のオーナの利益にされる。被害を被る弱者たち。今回は全国での実態の報告を受け、われわれが抗える方向性を探っていこう」
~登壇者~
- 前野哲哉 さん 大阪市障害者就業・生活支援センター 所長
- 藤田和恵 さん フリージャーナリスト
- 中崎ひとみ NPO法人全Aネット 副理事長
~進行~
酒井京子 全国就業支援ネットワーク 理事
【分科会2[くらす]】「障害者が街に消えていく」
滋賀県信楽の地で様々な実践を積まれた池田太郎氏は「障害者が信楽の町に消えていく」と表現し、障害者施設という「特別な」環境に制度のよって一生追い込まれていた障害者を一人の人間として地域で働き暮らしていく、その拠点として民間下宿に重要な意味合いを期待していたのではないか?滋賀信楽における民間下宿が滋賀県をして「障害者生活ホーム」の制度を県単で開始し、それが国を動かし現在の GH(障害者生活援助事業 )の制度となったことを考えると、現在の実態が先人が思いを込めた当初の理念に沿っているのか?それとも今やそんな必要もないのか? 70年を経て、障害当事者のニーズが変わって来ているのか?そもそも、誰のどのようなニーズにより最近の住まいの場は機能しているのか?各地でホームを運営、経営されておられる仲間にご登壇いただき、最近も社会的問題になっている GH 運営 (営利 )法人の事例なども俎上に挙げながら議論を深めていきたい。
~登壇者~
- 細谷 明代 さん NPO法人プラスWe
- 椎名 保友 さん NPO法人日常生活支援パーティーパーティー
- 長尾 祥司 さん NPO法人パーソナルサポートひらかた
- 羽田 明史 わっぱの会
~進行~
白杉 滋朗 共同連運営委員・企業組合ねっこの輪
【分科会3[まなぶ]】「共に学ぶ・共育は本当に広がっているのか?様々な立場から現在の共育、「共に学ぶ」教育を切り、今後の展望を問う
障害者自身の目線で、校区の小学校へ通う息子さんと『子育ち』する母の目線で、障害の受けとめや支援についてを、同世代の二人と研究者の方をまじえたディスカッションにより一人ひとりの多様なつながりの中で培われる『共に学ぶ』が見えにくくなっている今、もう一度『共に学ぶ』を捉え直す機会にしていく。また、『定員内不合格』で高校進学を阻まれた方からの報告を受け、「共に学ぶ」や「共育」が全国的にどういう状況にあるのかを知り、今後の展望を考える契機とします。
~登壇者~
- CIL豊中 上田 哲朗 さん
- 長谷川 由佳 さん(親の立場から)
- 堀家 由妃代 さん(大学教員)
- 廣岡 睦美 さん(ともまなネットくまもとインクルーシブ教育を目指す熊本の母ちゃん)
【分科会4[共に働く]】「もっともっと発信!もっともっとつながって街の中にミリョクある仕事をひろげていこう・・・」
「共に働く」仕事場で起こっている「できにくい」や「できない」ことがちょっとした工夫で仕事になることを伝えたい。そして、障害ある人、高齢者、働きにくさをかかえた人、さまざまな人が街の中で共に働く「魅力ある仕事や事業」の発信は街の人と有機的に繋がるきっかけとなることや今後の活動に活かせる取り組みを学び合う時間としたい。
- 久木田 郁弥 さん スパイスカレーミルズ
- 馬場 義竜 さん 労働者協同組合はんしんワーカーズコープ
- 吉岡 徹 さん 特定非営利活動法人 出発(たびだち)のなかまの会
進行:ちまちま工房 永田 千砂
【分科会5】就労ワークショップ
お申し込み方法
以下のフォームからお申し込みください
- お申し込みは個人または団体ごとでのお申しみができます。
- お申し込みいただくと、ご入力いただいたメールアドレスに自動でメールが届きます。もし届かない場合にはご入力いただいたメールアドレスが誤っているか、自動返信メールが迷惑メールに分類されているかもしれませんので、自動返信メールが届かない際にはご確認ください。
- 参加費は事前に振り込みでのお支払いのみとなっております。当日会場での現金の受け取りはできませんのでご了承くだい。
協賛のお願い
共同連の活動は、理念に共感する事業所や個人の支援によって支えられております。今大会の運営のために、みなさまのご協力をお願いします!
第39回共同連大会IN大阪 開催にあたっての協賛に関するお願い(PDF)
1口5,000円何口でも可
〈お振込先口座〉
ゆうちょ銀行 口座名義:キョウドウレンカンサイニューブロック
・記号 140202 番号 44873151 (ゆうちょ銀行からの振り込む場合)
・四〇八店 普通 4487315 (ゆうちょ銀行以外から振り込む場合)
ご協力していただける方は、以下の協賛申込書にてお申し込みください。
【お問い合わせ】
第39回共同連大会IN大阪 現地実行委員会
〒562-0043 大阪府箕面市桜井2-8-15 ちまちま工房
TEL 072-735-7901 FAX 072-725-0244 E-mail:chima@chima−chima.com
[全国事務局]
〒462-0810 愛知県名古屋市北区山田2-11-62 大曽根住宅1棟1階 特定非営利活動法人 共同連
TEL 052-916-5308 FAX 052-938-5309 E-mail:kyodoren@gmail.com